前回の記事で私は“自学習”の方が、塾の授業を買うことよりも優先すべきことだと述べました。
今回の記事では、それを裏付けるような具体例をもう一つお話しします。
前回のブログ記事・塾の授業を買うより自学習優先でいいですよ。
~B君の事例~
私が大手個別指導学習塾で教室長をしていた時に、B君という生徒がいました。
B君の定期テストの得点は数学60点、英語60点、理科60点、社会40点、国語60点ほどでした。
B君は中学3年生になったばかり。公立高校進学を本人と保護者は希望しています。2月には公立高校の受験があります。
希望の公立高校へ進学する為、受験学年ということもあり塾に通うことを決めたようです。
勉強全般に苦手意識のあるB君は集団授業だとついていけるか心配で個別指導塾を希望しています。保護者の方も同様の考えの様子。
B君は体験授業に満足した様子で、晴れて通塾開始となりました。
塾での受講教科は英語と数学。
理科と社会と国語も心配な様子でした。
しかし費用の事情もあり、授業料が高額になりがちな個別指導塾を選択すると授業で受けられるのは2教科まで。
B君と保護者はまず英語と数学を優先することに決めました。
(ちなみに私が雇われていた個別指導塾は中3生が2教科受講すると授業料と諸費用を合わせて1カ月の支払いは税込33,000円以上かかりました。)
とは言っても、千葉県の公立高校の入試制度を考えると内申点は9教科(英数国理社5教科と保体・音・技家・美の技能4教科)すべて軽視出来ません。
また、入学試験は5教科全て実施されます。
そこで私は理科・社会・国語のうち定期試験で最も得点の低い社会について授業外で自学習のフォローをすることに決めました。
やり方はこうです。
英語と数学は週1日ずつ授業があります。
それ以外の日に社会の自習日として通塾してもらいます。
“自習”の日に私がフォローしたことは、以下の通りです。
- 学校から配布されている社会のワークを自習日に勉強させる(次の試験範囲であり、学校で習っているところまで)。
- 分からないところはまず教科書を見ながら調べさせる。学校のノートやプリントも持参させそれも調べる道具とする。分からないことを質問されても私が教えるのは最終手段。授業ではなく“自習”なので、調べる方法など「自習のやり方」を説明することに重点をおきます。
- 宿題として、その日に勉強したワークのページを次の自習日までにもう1回解いてくる指示をだす。
- 定期テストの2週間前になり正式な範囲表が学校から配られたら、もう一度テスト範囲のページ全てを塾の自習時間と家庭学習時間を使って復習する指示をだす
こうしてB君は次の定期テスト日を迎えました。
テストから数日して結果が返ってきました。
英語65点(前回から5点アップ)
数学70点(前回から10点アップ)
理科65点(前回から5点アップ)
社会80点(前回から40点アップ)
国語55点(前回から5点ダウン)
授業で受講していた英語と数学よりも、社会の点数が飛躍的にアップしています。
実は個別指導塾で働いているとこのような現象をたくさん目にするんですよ。
B君のようなケースを見ていると「やっぱり、塾の授業より自学習が先だよね」って答えにたどり着くんです。
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